昨日定例冠句会での1100回記念の「互選」を紹介したが、その後は何時も通りに5月投句の選者による巻の発表が行われた。7人の選者がおられて会員の投句に対して、それぞれ選考されて発表される。同じ「冠題」に対する応吟句の見方でも、選者の好みや受け取り方が違ってくる。極端に言えばある選者は秀句であると「天」位に選ばれても、他の選者は駄句であると選にすらされないことがしばしばある。
逆に、選ばれる私達からすると、下位から順に発表されるのであるが、その過程で名前が読み上げられなければ、今回も駄目なのだろうかと案じたり、最後には逆転の天位が読み上げられるのではないだろうかと、ヤキモキしながら傾聴しているのである。
従って7人のどの選者からも選ばれるということは、点数もさることながら誰からも愛された句として秀句として取り上げられる。勿論選者はベテランの方に委託される。これらの方は、過去天位を数えられないほど受賞されておられる方ばかりである。今回より選者に委嘱されたFさんなどは、経験や実績は他の方からすると乏しいが、将来性を買われたものと思われる。
選者は自分の句を自選できないから、自分が選者になった際は、他の選者の評を待つのみである。そのため選者も交代で務めておられ、中々選考にも時間と労力がいるようである。
数ヶ月前選者であったSさんの句が他の6人の選者から選ばれた。当然その月の最高多選の句に授与される「紫水杯」を受賞されたが、今月はHさんが選を降りられた月に当り、会社を休まれて半年振り位に定例会に顔を見せられた。その結果7選というパーフェクトの偉業達成であった。こうなってくると選ばれる方うよりも、選者の方にプレッシャーがかかるようで、6選を達成されて最後の選者がその句を選ぶかどうかに皆の関心が掛かって来る。それにたまたま最後の巻の選が現会長であり、一番長いキャリアの持ち主で「宗匠」の号も持たれている。一向に名前が上がらず最後まで来て読み上げられた。最後の句は「天位」であるから、最高のプレゼントと7選のパーフェクト達成であった。新人選者のFさんもその句を選んでいたのでやれやれだったろうと思う。
因みに私の成績は11句選ばれ、「人位」1句、3選2句、2選1句であったので、さらに選ばれるよう努力をしたい。