朝刊の折り込み広告の中に、薬店が「初夏のお薬立ちセール」の大きなキャッチコピーで商品を掲載していた。ふと「お役立ち」の間違いじゃないかと思ったが、そこは薬屋なので、「役」と「薬」を引っ掛けたものと理解した。
一方「おくすりだちセール」と読むと、「お薬を断つ」即ちお薬の服用を止めることにつながる。それでは薬屋は経営がやってはいけない。健康な者ばかりだと医者や薬屋、それに葬儀屋は倒産であろうか。同じく葬式仏教の寺院も影響があるかも知れない。ここはそのまま「お役立ち」と読もう。
中味の商品を見ると、薬などの商品はホンの少しだけで、スパーやホームセンターの商品と変わりない内容である。カビ対策や匂い、殺虫剤がせいぜいこのコピーのメインかも知れないが、普段何も気にしていないものが、裏表を見回すことは、このコピーライターの戦略に負けてしまったようである。