今月の安富冠句会の地巻作成はいつもより早く出来上がった。応吟者が減って投句数が減ったことにある。この会も高齢者ばかりである。還暦者はまだ若手である。欠席投句者には若手の人もおられるが、このところ応吟されていない。
もう一つ所属している姫路冠句会も60歳以上の者ばかりである。気持ちは若く、皆さん瑞々しい叙情句を詠まれて感心している句会である。良く勉強されておられるのが読み取れる。先頃発行した記念句集には、それらの句がちりばめられているようである。
両会とも若手句人が居ないことである。それは冠句界全体にもあるようで、各結社でも高齢化が危惧されている。昨年10月京都で開催された国民文化祭「冠句の祭典」で小中高の部として一般の部とは分けて裾野を広げようとされていた。但馬でも昨年11月に「但馬文学のつどい」に参加したが短歌、俳句、川柳部門でも同様の取り組みがなされていた。広く低年齢からの興味を持たせ、広める努力である。
特に冠句は、短歌や俳句、川柳と違って教科書にも記載されていないものだから、国語や社会に携わられる先生方さえ知らない方が大多数である。そのため冠句に拘わる人達が、お子様や、お孫さんを通して日本の伝統文学の流れであることを、もっとアピールすべきであると思っている。決して年寄りの趣味だけには終らせない、普段からの努力が必要ではないだろうか。