またしても大阪市の橋下市長の言が波紋を投げかけている。市立桜宮高校のバスケット部の顧問がキャプテンに与えた体罰が下で自殺に追いやったことから、日々そのニュースが途絶えることが無い。このバスケット部と過去に体罰事件があったバレー部が活動休止状態になっていると報じられている。
体罰をした先生や黙認していた学校側に責任があるのであって、生徒達は体罰を受けた被害者であり、活動休止を何故生徒達に強いるのか不思議であると思っていた矢先に、一昨日の報道によれば、市長がこの学校の今春の体育系学科の入学試験を、学校の受け入れ体制が整っていないことを理由に中止するよう決定権を持つ教育委員会に要請したようである。
まるで体育系学科では体罰が現状当たり前のようになっているとも受け取れるし、クラブ活動の部員はこの学科だけでは無いだろう。普通科の生徒も加入しているだろう。まるで短絡的な無茶苦茶な発言である。また3学期のこの時点では中学校では3年生の進路調査を行っており、志望校決定の時期でもある。既に同校の体育系科に進路を決めている中学生も多いことだと思われる。中学の進路指導にも混乱を生じることとなった。
政治家として波紋を投げかけるのは結構であるが、行政の長がスポーツ強化と体罰を短絡的に結び付け、体育系の学科を否定するという政策こそ乱暴で許されるものではない。今後の推移を見守りたいと思っている。文部省は一地方の学校運営方針には手を出さないのだろうか。それとも維新パワーが怖いから黙認しているだけなのだろうか。