先日バレーボールの練習前に6年生の子が、「コーチの会社はパン屋さんやなあ。コーチパン屋けるん?」と尋ねてきた。
別の子が「パン屋違うで。ケーキ作っとんやで」と言って話に加わってきた。「どっちも作っとうけどコーチはパンもケーキもよう作らん。食べる人や」と返答したら何でと不思議そうな顔をして練習が始まり、そのままに終わった。
確かにパン屋に入ればパンが出来、ケーキ屋に入ればケーキが作れると誰しも思うだろう。少なくともそちらの知識は豊富だと思われるかもしれないが、企業規模にもよるが、総務や経理の間接部門に働く者にとっては、どこも同じと思われるが一切それらの知識は入らない。
当社でも入社早々の教育期間では製パン製菓の基礎知識や現場実習も入れているが、分業化されたラインでは時間の関係で一部しか体験しない。技術者と云われる人でも、ジョブローテーションがあってこそ全てが分かるのであって、工程を寸断したパートを任されていては、前後の連絡を密にしないと生産は成り立っていかない。
技術的には、生産より出先の店舗でのパン作りの方が仕込から成型、焼成などに従事し一人で何役もこなさないといけないので身に付くかもしれない。
30年来パン屋に在籍してきて、パン一つ焼けないのもチョッと寂しい気もする。焼き立てを孫にでも食べさせてやったらと思うこの頃である。