昨日、安富冠句会の地巻作成に当たり、投句された応吟紙を、ほぼ終日パソコンに入力作業を行っていた。その中に懐かしい名前の句があった。「安達太良山」を詠んだ句である。
今夏東北自動車道を福島に向かって北上中に、「安達太良SA」があった。その前に「那須高原SA」で朝食を取っていたので、ここは素通りして福島に向かったが、この地名がどこかで見た覚えがあるのだが思い出せない。「あだちたろう」と読むのだろうか思っていると、この周辺のガイドには「アダタラ」と書かれてあった。それでも思い出せないまま昨日まで、すっかり忘れてしまっていた。
女性雅友が、高村光太郎の智恵子抄から、「智恵子の山」と詠まれていた。目から鱗である。早速ネットで「安達太良山~智恵子抄」を確認した。
『智恵子は東京に空がないといふ。」あの書き出しの高村光太郎の名詩集である。そこに出てくる山こそ、彼の山であったのである。山の名前から智恵子抄を思い出すとは、実に嬉しい限りであった。
東北に行かなければ、頭の中に疑問も残らないだろうし、今回の冠句の清記係をしていなければ、こんな出会いも無かっただろうと思われる。当日の福島の天候は、雨が心配される様な曇った空であったので、智恵子の「本当の空」では無かった。
by kitamura1007
| 2015-09-29 09:07
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