昨日のニュースで栃木県の宇都宮地裁が、「警察が捜査を怠ったことにより、被害者が死に至った」と判決が出されて警察の全面敗訴を報じていた。被害者の家族が度々警察に相談していたにも拘わらず、放置して最悪の事態を招いたものである。
「警察は事件にならないと動かない」とは自他共に認めており、今回もこのような発言が警察からされていたようだ。
「民事不介入」とはよく言われている。サラ金被害も結局はこの言葉で警察が公務を放棄しているように思える。「事件にならないと」とは誰かが精神的、肉体的に痛い目に合うことである。勿論民事では経済的損失も伴う。その被害に遭わないために警察に相談や善処をお願いしているにも拘わらず、それを怠慢により事後対応では、相談者はたまったものではない。
一方「公安警察」とも呼ばれるように、膨大な人的費用やスタッフを思想等の調査にも投じていることも事実である。昔の特高警察の名残である。こちらなどは治安維持の元に、事前の捜査や摘発等により、事件を予め予防してきた歴史がある。その功罪は別にして、そのような踏み込んだことも警察は行っているのであるから、我々市民は警察に生活の安全を守ってもらっているのである。市民が意を決して相談に行く時には、相当深刻な事態があるか、それが直面しているに違いないのである。他の役所と違って行き易い相談窓口ではないことを知ってもらいたい。
事件が起こる前に動かなければならない。そのことが防犯警察だと思う。