上の娘には2人の男の子がおり、小学3年生と保育園児である。どちらも親に似て身体を動かすことが好きなようだ。尤も子供は家でジッとおとなしくはしていないし、まして男の子であるから屋外での遊びが生に合っている。
ところが、同じように育てられているにも拘わらず、興味は全然違うのである。兄は昆虫など苦手で、虫をつかむのも恐る恐るで、手が怖がっているものだから、指先にまで力が入らない。やっと蝉やトンボくらいならつかむ程度である。
しかしそんな兄を見ながら育った弟は何臆することもなく、さっと掴んでしまう。全然怖さはないようで、ムカデなどもつかもうとする。「ヤメテーッ!」と母親が絶叫するのを喜んでいるみたいだ。両親とも興味を持っていないのにどこで、そんなになったのだろう。
ところが、この弟の方は犬や猫などは全然駄目である。少しでも近づいて来ると硬直し、さらに近づけると逃げ、終いには泣き出すくらいである。我が家には2匹の犬がいるが、いつも窓越に見ているだけで、兄や他の孫達が犬と一緒に遊んでいても、遠巻きに見ているだけである。自分で触れてみようとはしない。どうしてと尋ねても、「僕、怖いもん」と言うだけで引っ込んでいる。どうも目と目が合うと駄目な様である。
過日、水族館のタッチプールへ連れて行った祭には、兄はヒトデやナマコ、ウニを掬い上げるにも恐る恐るであるが、弟は腕まくりもそこそこに手を入れて、水槽の中に落ち込んでしまいそうに成る程、身体を入れて掬い上げていた。こんな面白いところはないと言うような笑顔で、あちこち歓声を上げて跳ね回っていた。
同じ兄弟で、どうしてこうも興味が違うのか、こんな小さい時からなぜ変わっているのか不思議な気がする。