昔、西川きよしさんが、参議員選挙に出られた時のキャッチフレーズに「小さなことからコツコツと!」と大きな公約を掲げて実行できないよりも、日々の小さな行いから実践してゆこうと言われて、確か圧倒的な得票を得て当選された。その後の西川さんについて回るフレーズである。
「小さな積み重ね」が大切とは昔から云われている。『いつも見えるお城の天守閣も、土台となる石垣のさらに一つの石が積み重なって出来ているのである。』、『一円を粗末にする者は一円に泣く』、『ローマは一日にして成らず』など古今東西の格言や言い伝えなど、このことに関しては多く見られる。
昨日のバレーボール教室における、元オリンピック日本代表選手の指導も基本練習の積み重ねに尽きると、最後の指導者講習の場でも反復練習を述べておられた。子供の限界があっても、その見極めを指導者が行い、更に上を目指すようにすることであった。比較的スポーツはその点、把握しやすいかも知れないが、教育など知的なものの限界把握は難しい。とは云っても小学生に、中学生の問題を解けといっても、その基礎が無ければできないが、スポーツはその可能性を秘めている。
では仕事についてはどうだろう。入社時や入店時の新人教育で一通りの基礎を学んでから実践するが、時間的余裕の無さから、いきなり現場配属で職場の先輩から指導を受けることとなることもあるだろうが、さすが難しい操作までを任されることはないだろう。
それらが日々に積み重ねられて、何時の日かベテランや中堅と呼ばれる地位にいることとなる。
それでも、汗水流した日々の積み重ねが開花できれば良いが、そのまま埋没してしまうこともあるだろう。案外結果的にはその方が多いのかもしれない。例えば、スポーツにしても、基礎があっても誰しもがオリンピックに出られるものではない。勿論努力が必要であるが、時間をかけても結果が共わななくても、それでも、皆コツコツ積み重ねることに対して共感を覚え、それを支持する。「賽の河原の石積み」で鬼に積み上げられた石を崩されても、再度チャレンジする姿は心を打つ。蟻が働いているのを横で見て遊んでいるキリギリスを誰も許さないのと同じで、日々コツコツの積み重ねの貯金が、全てに役に立つことを知っているのだ。
残念ながら、自分は日々コツコツと目減り貯金をしているのだろうかと思い直した次第である。