馬鹿ヨケとかフールプルーフと確か言われていたと思うが、うっかり者やおろか者がどんなミスをやったとしても事故にまで至らないようにする安全設計のことを思い出した。
先日各人別の有給休暇台帳を作成するに当たって、過去1年間の有給休暇取得日数を勤務報告書から拾い出すに当たってエクセルの関数算式を使って一覧表を作った。それをダブルチェックしている大阪事務所の担当者に送っていたところ、昨日誤差があることを連絡してきた。
出来てしまってからは、再度チェックはしていなかったが、指摘されてから再度関数の式を見直したが、月単位で異動があるので、計算式の座標の範囲の違いかなと思っていた。
ところがよく確認すると、「有給休暇」の略称として「有給」や「有休」を使用しており、目で確認する限りではどちらも同じ扱いであるが、算式では「有給」のみを指定していたので、「有休」の分をカウントしていなかったのである。
勿論この算式を作った際は、二通り記載しているとは思いも寄らなかった。目で見る限りは労務担当者としては同一の取り扱いをしており、過去はそのようにしていたので問題はなかったようである。
今回初めて、関数の式を挿入して有給日数のカウントをしようとしたのである。別に難しいことは無いが、各月の末日の消化状況を合計表で確認すれば済む話なのであるが、会社の勤怠は15日締めの台帳で行われており、残業や深夜作業などの時間数はそのまま15日で締め切られて、有給休暇や欠勤などは20日で締め切られているので、翌月の台帳を見ないと分からないのである。
極めて事務的な話で申し訳ないのであるが、有給休暇の日数の合計は勤務報告書の前月16日から今月15日までの台帳から、前月21日から今月15日までの有給取得数を数えて、次に16日から翌15日までの台帳から16日から20日までの範囲の間の有給日数を数えてそれを合算しなければならず、転記ミスが起こりやすいものであった。それを算式で結びつけたものである。
ここでのミスは「有給」と「有休」を同一化できなかったことにある。関数では便利な関数があって、このような場合を救済してくれるのである。勿論単語の統一化をしておれば問題ないのであるが、労務担当者が目では誤らないものが、算式では読み取れない数式になってしまうこととなった。「もし「有休」の場合はいくら」「もし「有給」の場合はいくら」と始めから想定した式を組んでおけばスンナリ出来ていたものであるが、そこまでは当初目が行き届かなかったと言うよりは、考えが及ばなかったのである。
矢張り設計者たるもの、あらゆる場面を想定しておかないと、飛んだ失敗を仕出かす事となってしまうものと思った次第である。