あの懐かしい炭酸ソーダーを我社で作っていた。昔子供の頃、確かあれは「三ツ矢サイダー」ではなかったかと思うが、冷やしたサイダーをガラスコップに入れてもらい、一気に飲むと、下から湧き上がった泡が鼻にかかり、甘みと酸味が丁度良くて、お替りをねだった。そうすると、炭酸飲料なので、お腹が張り、ゲップをしたりしていた。その後出てきたコーラーの前の、国民的飲料でなかったかと思う。
ここでは、サイダーを懐古するつもりはないが、ふと今日の生産計画はと予定表を見るとサイダーとなっていた。製造工程で倒ビンしたものなど、排除したものが工場外に出されていて、液を抜いての廃棄処分で箱に入れられていた。毎日のほぼ日替わりの生産の中で、今日はサイダーかと見ていたが、良く見ると製パン最大手のYパンの名前が入っていた。
Yパンさんの直系コンビニのYショップで専用として販売されるものであった。さすがYである。このような飲料にもオリジナルな商品を手がけているようである。入社時の資料に確かYパンさんの名前が主な得意先として上がっていたので、どんな係わり合いがあるのかなと思っていたが、このことであったようである。
足元にも及ばない地方のベーカリーに多年席を置き、Yの名前は常々聞き及んでおり、最近でも不二家さんの建て直しにその名前が出ていた。前社も今は№2のPさんの傘下に入り、そこのOEM生産をしているが、Y社の方が常々一歩先をリードしており「世界のY」と名前もグローバル化である。
当社もOEMの生産工場であるから、このサイダーもオーナーであるY社の発注である。パン屋から離れても、未だにパン屋の系列から離れてはいなかったことを可笑しく思えた。
昨日も昼の休憩時間に前社のHPを見て、この連休中に社長が、経営状況を書いていたが、どうもピンと心に訴えるものが無い。内に向けた作文としか思えなかったが、片や毎日前社従業員の書いたブログを読んでいるが、この連休中は大変だったようで、更新も出来ていないことが、その勤務の辛さを感じさせるものである。後輩たちも大変な様である。
同業他社とは言わないまでも、当社の製品がY社のお客様に愛飲されているとなると、その売れ行きなど気になるので、一度近くのショップを訪ねてみてみたい。別に気にしなければ、ただそれだけのことなのであるが、例によって「見たがり、知りたがり、聴きたがり」の助平根性が出てきたようだ。