「見猿聞か猿言わ猿」と三猿を表す言葉が昔からあるが、究極は臭いものに蓋で、現状維持を表している。改革の火種を消してしまう考え方で、「長いものには巻かれろ」との考え方である。
「そんなに慌ててどこへ行く?」とのキャッチコピーがあったが、改革の火を消そうとするものである。昨日の仕事は、まさしくそのようなものであった。今後にも影響してくることであろう。
退職者の失業保険の申請に必要な離職票の記載に当たって、賃金の締め日についての職業安定所の指導を受けるべく上司の要請で、一緒に同行した。内容的には、出向く前から承知しており、予てから会社に指摘していた改善事項の一つであり、今回外部から指摘である。
役員である上司の応対を見ていたが、実に嘆かわしい。問題を摩り替えて、離職票の発行を促すだけであり、相手が求める今後の改善については、はぐらかすだけで、結局持ち帰って検討すると言うことであった。
不快な気持ちで帰ってきたが、今度は社内で採用している臨時アルバイトの雇用期間延長にかかわる社会保険の加入について、加入条件を満たしており申請しようとすることにストップがかかった。その理由は、「アルバイトやパートは何時退職するかわからない」とか「過去に前例がない」との理由であった。
手元にあった社会保険の資格取得条件の記載箇所を見せたが、結局明日社会保険労務士に相談してみるとのことで、帰社してしまった。
その後で、当該のアルバイトと面談し、雇用期間延長を伝え、正直に社会保険の加入については保留である旨伝えた。当初私の口から6月1日より適用することを伝えていたので、会社として決定事項でないものを自分の判断で対応したことにお詫びを申し上げた。
入社して半年間の中でいろんな労務問題をその都度、日報や稟議書で報告してきたが、都合の悪いことは殆ど保留である。その都度催促するのであるがうやむやである。電話でのやり取りを聞いている周りの人からも、「あかんで・・・」と言われる。過去の労務担当者が、そのような理由から退職されたということもあるそうである。「のんびりやらんと、身体を壊してしまうで」とも言われている。真剣に取り組むとノイローゼになるそうである。
ふと、三猿を思い出した。確かに適当に対応しておれば、自分ペースでお湯の中に浸ることは出来るかもしれない。しかし、精神的ストレスはたまるだろうなと思った一日であった。