土曜日の午後も炎天下の猛暑であった。会社の周辺の木々の蝉の鳴き声が一層騒がしく聞こえてくる。ペットボトルのリサイクル業者が回収に来た。予め栓を開けて中味の液を抜いてドラム缶に流し、キャップと容器を分別しており、大きなフレコンと呼ばれるテントの布生地の袋に、ペットボトルを入れておいたものである。
フォークリフトにこの大きなフレコンを一袋ずつ積み込んで、トラックの荷台に積み込むが、フォークの爪に袋を乗せる手助けが必要とされ、応援した。
冷房の効いた事務所から屋外に出るだけで、汗が噴出してくる。簡単な作業であるが、瞬く間に汗だくになった。土曜日の午後でデスクワークも少なく、汗を掻いたついでに、工場の外周を囲むフェンスの裏側に雑草が絡みついている箇所があり、巻き付いた草を手で引き千切ることとした。
丁度隣りの会社がシルバー人材センターに頼んで4、5人が草刈機で除草しており、当社のみ草が巻き付いた状態であった。
小一時間も斜面に足を気にしながら、草むしりをしていたら猛烈な汗が噴出してきた。着ていた白い食品会社の制服も上着やズボンも汗で身体に張り付き顔中が洗面したようである。草の小さな葉っぱも飛び散り、丁度区切りの良いところで作業を止めた。
白い作業着は体の色が見える位に汗でボトボトであった。タオル以外着替えを持って行っていなかったので、洗面所で思い切り水道の水を出して、顔を洗い、上着を脱いで濡らしたタオルで身体を拭いていたが一向に汗は引かないので、上を引っ掛けて事務所に戻った。幸いスタッフも一人だけしかおらず、冷房の効いた部屋で団扇をかざし、タオルで汗を吹きながら少しおさまるのを待った。シャツ一枚の格好は普段は出来ないが、シャワーでも浴びたい気持ちであった。またこれだけ汗を掻けば、スイミングやジムに行く必要はないと思った。
普段のデスクワークでは汗は掻かないが、久し振りに仕事で汗を流した。