6月に大学時代の友人が亡くなり、その奥さんから彼岸前に葬式出席の礼状が届いた。1年以上も前から病気入院して手術していたことなど、全く知らなかったことなどが書かれてあり、年賀状でしかやり取りしていないので、「お変わりないことと思います」と勝手に思い込んでいただけで、その実大変なことであったようである。
奥さんとは、結婚式に招待されて友人達と一緒にお目にかかったきりで、正直その当時のことは覚えてはいない。しかし文面からは、友人から私達の大学時代の交友関係を良く聞いていたのだろうか、とても想い出を大切にして頂いている様子が伺える。自分だけでなく、妻にもそのことを共有してもらっていた彼の人となりが伝わってきて、嬉しくなってくると共に熱くなってくる。
彼も結婚生活は、私と同じで35、6年年だろうが、このような礼状を、落ち着かれてから送って来られた奥さんや、若い時の彼そっくりな息子さんとの家庭は、喪主であった息子さんの言葉にあったように、暖かい家庭だったことが伝わってくる。
彼岸に当たり、彼の若かりし頃とは違った少し額の髪が無くなった遺影の写真の少し照れた笑みが、風に乗って伝わって来たように思われる。どこからか、彼の名古屋弁の訛りのある言葉が聞こえてきそうだ。