昨晩の夕刊にインフルエンザの流行の兆しが見えるとの記事が出ていた。大阪などでは学級閉鎖もあるようで、都会から各地に広まる恐れが出ているようである。ウイルスの型は、Aソ連型が20%、A香港型が42%、B型が38%ということであるが、何型を予防注射をすれば良いのかわからない。
先日糖尿病の健診に病院へ行った際も、先生から予防注射を進められた。前回も同じ事を言っていたので、年配者に勧めているのであろうが、何か医者が強く勧めると、お金儲けの感がする。「無理には進めませんが、念のため」と言われたが気の弱い患者なら、頼りきっている医者から勧められると、渋々予防接種を受けてしまいそうである。
私は先生に、「鳥感染の新型インフルエンザであれば受けても良いのだけれど」と言うと、急にこれまでの笑顔の話し方を変えて真顔になり、「あのワクチンは手に入らないのですよ。厚生省の関係者や研究所の医師だけが摂取しているようで、私達の町医者が一番危険なのに、そのことを考えていないのか、何も情報が入らないのですよ」と無念そうに愚痴を話しかけてきた。 私はその先生の胸の聴診を終えてからベッドに横になって腹部の触診を受けていた。「大丈夫ですよ」と言って離れたのでベッドから起き上がり、ズボンを直していた。インフルエンザの鳥ワクチンが大丈夫なのか、触診が大丈夫なのか良く分からなかったが、問題なさそうなので、この部屋を出た。
それにしても、少し変った先生のように思われた。患者に愚痴を言ったところでどうにもならないのであるが、この先生は新型インフルエンザに関心があることは感じられた。そのワクチンが入手できないことで危険性を感じていると言うことは、取りも直さず新型鳥インフルエンザが秘かに蔓延しているのではないかとさえ思う。
東南アジアでは死者も出ているとの報道もあり、国内の空港での水際作戦もあるようだが、少々こちらの方が不安を感じるようになってきた。いずれにせよ、対応の仕方やワクチンの勧めを広報して、現在どうなっているのかを、政府は明らかにしてもらいたいものである。