出勤前に小学校の運動場を毎日覗いている。孫二人の元気に遊んでいる姿を確認するためである。学校周りに不審者の出没も囁かれる時に、毎朝校庭のフェンス越に怪しげな老人が中を伺っているように見かけられないだろうかとの心配もしている。
昨日も同じ様に出勤途中に、木陰に止まって中を覗いていたが、いつも直ぐに見つける兄の姿は見られなかった。ドッジボールをしているグループは合ったがその中には孫は居なかった。
いつも中々見つけられない弟の姿を運動場の中に追い求めたがこの日も見つけられなかった。しかしどこからか、その孫の名前を呼ぶ声が聞こえる。孫の名前が呼ばれて何やら返答している声が、近くから聞こえて来た。
その方向に乗っていた自転車を進めると、閉鎖されている南門の横に大きなミカンの木が有り、既にミカンがなっているが、まだ黄色く色付いてはいない。
何とそのミカンの樹の横のフェンスの上に登って、ミカンの樹の葉に付いた虫を枝毎折り取って下に待ち構えている友達に渡していた。すると他の友達が俺にもと所望されて、探して見つけ出して葉っぱに付けて渡していた。これではいくらグランドを見ても分からないはずである。まさか樹の上にいるとは思いも寄らなかった。
このことで、つい先日の14日が8年前に亡くなった母の月命日であったが、私が幼稚園児の頃の園の集合写真を持ち帰った際に、母親は我が子が整列した中に居ないので何故子供が載っていない写真を持たせたのかと思っていたそうで、ふと後ろの樹木の枝に私が登っているのを見つけて安心するやら、やんちゃ坊主だった頃のことを、この写真の一件を大きくなるまで良く話していたのを思い出した。
孫はそっくり、同じ様な行動であるが、それ以上に毛虫や青虫を怖がって居なくて平気である。ところが同じ兄弟でも兄は、これらの虫には無関心であり、反って怖がっているくらいである。同じ兄弟でも随分違うようである。この下に2歳のチビが控えており、7ヶ月の赤ん坊も男4人兄弟の末っ子であるから、そのうち末恐ろしいことになるのだろう。
小3の孫は、長く見つめているものだから「爺ちゃん会社に行けば・・・」と言っていた。周りの友達が寄って来て誰だと言っていた。「爺ちゃんだ」と本人が言っていたが、照れくさかったのだろう。元気で何よりである。