正月明けから、また左脇腹の差込があり、初出出勤から顔を歪めることもあった。遅番であるので帰りに病院へ立ち寄っても閉まっていると思いながら、近くの病院の前を通ったが入口は閉められ、消灯していた。さらに入口には従来の午後7時閉院を昨年から6時閉院になったとの案内分が貼られていた。それで人影も見受けられないわけである。
矢張り夜中には痛みがあり、発熱もあったようであるが、自分では予想していたので、寝巻きの下にシャツを着込み、靴下も履いて、毛布も一枚余分に出して寝たものだから、何度も寝返りした際の痛みだけで終った。
翌日の仕事から帰ってから通院している病院へ行った。いつもの主治医はおられなかったが、別の内科医に診て貰った。矢張り検査結果から、私の自己診断通りの「憩室炎」であった。投薬で対応することとなったが、しかしこの若い医師は、私の身体を一度も触られず、私の申し出た「憩室炎」を確認するために血液検査の指示をして、その結果を見て、「矢張り憩室ですね」と言って処方箋を書かれただけである。もし私が、左脇腹が痛いとだけ告げただけでは、違った対応になったかもしれない。触診すらしなくて本当に血液検査で病名が当たるのであろうか。白血球の数が多いくらいでは他の病気もあると思われるが、詳しくは尋ねなかった。自己診断の申告の追認では何か医師の権威たるものを疑ってみたくもなる。