今時ひどい会社があるものだ。零細企業や一人親方の所では労働基準法違反などを聞くことがあるが、この地でも名の知れた企業の労務管理が、驚くような状態であることを求職者から報告を受けた。
昨日私が支援している今春公立大学を卒業後就職先が決っていない女性求職者が、在学中の留学経験から語学を生かすべく通訳兼事務員としての求人に応募して、面接後に来所しての報告があった。
先ずは勤務時間であるが、8時出社を6時半には入って欲しいとのことで、遅くとも6時45分位には入って掃除をして欲しいとのことである。私は7時の間違いだろうと聞き返したところ、本人も当初その話を聞いて同様に問い直したようであったが、間違い無いとのことであった。8時からは利益が出る環境にしておくことと言うのがこの会社の長年の習慣だそうで、入社2.3年間はこれに従って欲しいとのことである。早出勤務扱いにはしないが、年間賞与3回支給という中で、この勤務を見ているとのことであった。
また結婚後は勤務を続けられないとのことであった。結婚退職で家庭を大事にして下さいとの名目だそうである。今回の求人も結婚予定者の補充求人であった。また化粧や髪の毛を染めることなど制限があるようであった。金属の表面処理の工場にしては笑い話である。
今回の応募に当って、直接会社の担当者と話をした同僚の話では、採用担当者からこの人は美人か?と問われたそうである。何と言う愚弄した質問であろうか。採用担当者は心に秘めていても口に出して出るとは驚きである。それを聞いた年配の相談員は、あそこの会社は前から、美人、美人と言っており、会社を訪問するとビックリするくらいの娘がいると、会社の体質を伝えてくれた。置屋やタレントを抱えた芸能プロではないのであるが、こんな会社もあるようだ。
また別件であるが、この土地で老舗の菓子店で知られている店舗の求人で、女子の名前の末に「美」と付く子は応募不可であるとの要請があったことは会社では有名な話であったが、再度昨日この会社の指導があったようである。社長が店の子に手を出したのか、縺れた経緯からか夫人である専務が、その後その人の名前からか、このような行動に出たものである。会社という名の下でも、極めて私的なドラマが隠されているようである。
公明な採用と言われているが、まだまだ求職者の足元を見て驕る採用企業があるようだ。また採用後も理不尽な人事にも我慢を強いられている労働者も多いと聞いている。