来週卒業の大学生の就職率が昨年に続き好転しているとニュースで伝えられていたが、まだ何十万人と決定していない学生がおられるようである。そこへ12月からは企業と3回生の接触が可能となれば、未決定の学生さんにとっては焦ってくるだろう。
40年間民間企業に在籍して、殆ど人事総務畑で仕事をしていたが、この採用は仕事の中心であった。労働集約企業であるから人出を必要とし、地域のパートを中心に募集し、社員は九州、山陰方面からも定期採用をしていた。その後その経験からハローワークに移り、今年から現職に変わっている。終始採用がメインである。
受け入れ側、送り手側と立つ位置は違っているが、いずれにしても信頼関係である。善良な人間関係を構築する第一歩が面接である。形の上では対等であるから応募した側も会社が気に要らなければ辞退すれば良いのであるが、失業中であればそんな強気にはなれない。どちらかと言うと企業側に身を任すこととなる。
しかし大学生は少し違っている。50社近く応募面接して出来るだけ多くの企業から内定を確保して、その中から自分の意思で決定するのである。私も経験したが、優秀な学生程採用計画に穴を空けることとなる。入社式直前に採用辞退の返事が来るのである。恐らくこのパターンは変ってはいないだろう。企業担当者は年明けからの学生からの連絡に冷汗を掻くこともある。
そのため内定後に毎月入社前教育としてある面拘束するつもりで通信教育やレポート、作文等を課して学生とのコンタクトを取って来ていたのである。
現在の就職率はこのような二重三重の重複内定者数が加わっているので、4月の入社時とは誤差が生じることとなる。穴が開いた企業は再募集を掛けて現在の未定者を確保することになる。この繰り返しが毎年の行事である。そして仕事の繁閑調整として臨時採用を行っている。
最近は実施している企業も少ないと思われるが、季節労務者の採用も安定所と協力して行って来た。雪が降って農作業が止まる但馬地方の方をお迎えしていた。稲刈りが終わり、春先までの期間であったが雇用としては人材確保の一環であった。
このように見て来ると私の生涯の仕事は「人」との拘わりである。小学生頃から委員長などに祭り上げられ、中学校でもクラブ活動のキャプテン、高校でも委員長の経験。大学ではマネージャから人事担当と正しく人間関係そのものである。全てが肥やしになって、その時の仕事に投影させている。現在の就労支援も同様である。私に与えられた支援者を期間内に常用就職させることが、私に与えられたミッションである。