目は口ほどに物を言うとは古くから言われている言葉である。今回はその内容を問うのではない。犬と私達夫婦との初対面を思い返したい。
松田聖子が2回目の旦那に会った際にビビッと感じたと当時流行語になったが、私達夫婦と今回家族の一員になった名前が「ラン」とは、最初の出会いが何かそのような感じがしている。
犬の譲渡を申込後、飼い主となる自宅を訪問調査された。翌日に私の休日を利用して見学に行き、その際に最初に出会ったのがランであった。事務所の片隅から出て来て迎えに来てくれたが、直ぐに引っ込んでしまった。それはその横にマルチーズとミニチュアスナウザーが繋がれて、私達を吠えて迎えてくれたが、その声で慌てて奥に引っ込んでしまったのである。
当初は幼犬を引き取るつもりでいたが、そこに気に入った犬がいなければ次月に持越しとなるので成犬でも構わないと申し込んでいた。先程の2匹は尋ねると引き取り対象外とのことであった。それでは最初のダックスフントはと重ねて尋ねると、構わないですよとのことであったが、今年4歳の成犬ですよとも言われた。
家内も気に入った様で、早速部屋に連れて来られた。先に部屋に放されていた見学中の子犬達といっても体はダックスよりも大きく、たちまち上に乗られたりして吠えられて逃げ回っていたが、そのままされていると今度は、唸り声を出して蹴散らし出した。雌犬とのことであるが怒れば怖いと思った。しかし大人しく何とかしてよと大きな目でこちらを見て哀願しているようであった。係員も大人しい子ですよと言われていた。
結局その場で、この犬を引き取ることを決断して伝え、早速署名して我が家の一員と晴れて成ったのである。
普通は来月の講習会後に見学して、引き渡しが有る様であったが、自宅訪問での確認も済ませていることから特別な配慮が有ったものと理解している。しかし講習会は免除に成ったものでなく、諸注意を確認しておかなければならないと思っているので参加する予定である。
かくして私達と「ラン」との出会いは、このように目がものを言ったのであった。