過日一宮町へ水を汲みに行った際に近くの道の駅の売店入口に涼しげに音を奏でている風鈴が売り物として吊るされていた。
その中から上がシダの葉が出ていて下側に風鈴が付いた二重に楽しめるものを買って来て軒先に吊るしている。数ある中から風鈴の音も確かめて吊るした音が違うように聞こえる。小さな室内での響きと、屋外に拡散する音色とでは違いがあるのであろうか。
ガラス製なので余韻が無い。矢張り陶器や金属性のものが良いようだ。姫路でも古来の兜を作成する技術から火箸に転じ有名となっている「明珍火箸」も風鈴には良い音色を出すとかで火箸の珍しさと、その音色から贈答品などとして扱われているようだが、高価なものだそうだ。
夜間の蒸し暑く寝苦しい折に窓越しに風鈴の音が聞こえてくると、外は風があるなと思い扇風機の風に冷たさを感じて再び安心して寝入ってしまうが、無風だと一層暑さを感じるようになる。
それにしても花鳥風月を愛で、風鈴の音に涼を感じ、夜長の虫の音に秋を感じ、蝉の鳴き声に暑さを一層感じるこの感性は日本人ならのものと言われているようだが、いつまでもそのような感性は失いたくないと思う次第である。