先日思いがけず、会社からロス削減奨励金というものを頂いた。月間の工場ロス額が100万円を切った際に金一封が出ているようである。先月も出たが、これは11月が入社したばかりで満勤でなかったので支給対象外だった。
今回は12月が満勤のため金一封の5000円が入った封筒が回ってきた。12月の当初は工場稼働率も良かったが、だんだん生産量も下火となり、後半は開店休業の状態で、機械のメンテナンスに明け暮れしていたので、何かの間違いではないかと半信半疑で皆受け取っていたようである。
もらえるものは頂いておこうと言うものが大半で、具体的な支給基準の通知も回ってこなくて、何の数字的な説明もないまま、はいどうぞと経理担当員から渡された。
まあ月賞与と考えれば良いので、月間分を現金で支給するのは、中小企業の慣わしであると考えれば良い。
ところがこの後、変なことを聞いた。年末に生産したリキュールが売れ残り、従業員に強制的に買ってもらうという話が、前日の営業会議で決定した模様で、一人2ケースの48本を1本100円で4800円分を給料から控除するという話である。
何と馬鹿なやり方でをするのかと思った。事務所の者も一様に不満を漏らしていた。それならば、工場の者は12月のロス削減奨励金を誰しももらえるとは思っていないし、また毎日生産を止めて掃除などに時間を費やしているのだから、そのような奨励金は無いものと思っている。
それを一旦出してから、物品の強制購入をさせるのなら、奨励金は無いものとして、「先月は皆さんご承知の通り業績が悪かったので、奨励金は出ませんが、会社で生産したリキュールを皆さんに2ケース無償で支給するので、拡売にご協力下さいと」した方が、どれだけ綺麗なやり方だろう。その方がずっと生きたお金の使い方であると思う。今のやり方では、従業員の反発を買い、どれだけ売り上げが達成出来るであろうか。
自分で買ったものをサンプルですと、わざわざ差し出す人は少ないだろう。会社から無償で貰ったものであれば、気前良く提供もするというものである。そのことを、日報に書いておいたら、上司が問題点として、わざわざその部分に丸をして、奨励金制度と天引きは違う制度であるとのコメントを短く書いてコピーが送られてきた。
この奨励金は使わないで残しておかないといけないなあ。