工場の屋外で、製品の飲料ボトルの不良品を回旋して中の液体をドラム缶に開け、容器と栓を分別処理しているSさんがいる。彼はこの3月の始めからハローワークの紹介で「トライヤル雇用」をして今月から本採用となった。重度の精白者である。見かけは幼く見えるが37歳である。
毎日工場から排出されるアルミ缶やペットボトル、ビンなどの清涼飲料水の不良品を一人で液をドラム缶に流し、容器の種類により分別処理をしている。
雨の日も、炎天下も冬の寒風吹く中も同じように黙々作業をしている。梅雨に入ってからは、湿度が高く高温で不快指数も高い。そこへ廃液の匂いが漂い、悪い環境下での作業である。
昨日彼の仕事を中断させて、一緒にホームセンターに出かけた。炎天下の作業場を覆うテントを購入するつもりで出かけた。
ところが、商品を見ると、一人での組み立てや異動は難しそうであった。手伝えばそれで済むが、毎度社内にいるとは限らないし、場所を変えるというような場合の対処の仕方も用意ではない。その場所を動かさないのであれば、それで良いのであるが、結局その場で、一人でも対応できるパラソルに変更することとした。
彼に商品を見せて納得してもらい、パラソルを選ぶこととなったが、色柄も彼に選ばせることとしたが、安価なものを選んだ。よく見ると紫外線カットがなされていないものであった。遠慮もあったのかもしれないが、紫外線の日焼けについて簡単な説明をすると了解してくれて、その中から彼の好みの色合いのものを購入した。
会社として炎天下作業では最低の諸策ではないかと思うが、とりあえず買って帰り、彼に商品を持たせて職場に戻り、組み立てを手伝ってやった。
パラソルと一緒に、竿を立てるべくスタンドも買ったが、早速そこに水を入れてくるように指示して、組み立てさせた。高さが2メートルであるが、傘の骨があるので、そんなに高くなく、日陰を作る程度であったが、結構涼しいようであり、彼の日焼けした笑顔が印象的で、良かったと思う。帰りに見に行くとパラソルは折りたたんでいた。果たして少しでも炎天下作業が良くなればと思うが、次は扇風機しかないようである。