久々に従業員の幼い笑顔を見た。先の商品自主回収広告以来、次から次へと料金着払いで大量の商品が届く毎日である。他社の良品も一緒に届いている。当社の製造商品よりも多いくらいである。中には、中味が無く容器だけ送りつけているものもある。飲んでしまったのか、中味を捨ててしまったのか分からないが、広告通りの回収をしている。
当然オーナーからは、この商品の生産ストップとなり、繁忙期が急に反転して、生産量は細々としている。
先月から昨日まで会社に届いたお中元の贈答品を整理して、会社で使用できる洗剤や来客用に使用するコーヒー等を除いて、それを平均に分配した。缶ビールやインスタントのコーヒーが多かったようである。
それらに洋菓子クッキーや和菓子のアラレなどを加えて、約40程の区分けをして、袋に入れて順番に番号を書いていった。
別に番号を書いた用紙を作り、それを半分に折って糊付けをして、三角クジのようにして、直ぐに番号が分からないようにしたものを、小さなダンボールの箱に穴を開けてカードを入れて混ぜて、退社する従業員の順番に、くじ引きをしてもらった。
先ず、目にするのはクジよりもテーブルに並べられた、商品である。今年の中元は多いのか少ないのか体験的にわかる。昨年の歳暮も同様に経験したのであるが、同じようなパターンであったが、その時はパソコンから作った阿弥陀クジであったが、時間がかかり過ぎて不評であったので、直ぐに判る三角クジにしたところ、ニヤニヤしながらめくり出した。
たかだか缶ビール1本かコーヒービン1本とクッキーとアラレである。各家庭にあるもので、珍しくも何も無いが、スカクジ無しと言う気安さから、くじ引きをしている姿が、失われていた明るさが戻ってきたように見えるのだが。