昨日は大安吉日であった。前夜の忘年会で飲酒したものであるから、宿泊して朝6時前に朝帰りした。静かに玄関の戸を少し開けて手を差し入れ、戸に付けたベルの音がしないように回転を止めて戸を開けて中に入った。まだ皆睡眠中である。キッチンの暖房を点け、持って入った朝刊を読んでいると、家内が起きてきた。早く帰って来ているのに驚いたようで、そのまま起きているものと思っていたら、トイレに入って再び部屋に戻って行った。私が帰ってきたので、起きて来たのでなく、トイレに起きて、たまたまキッチンに電気が点いていたので、のぞいただけのことであったようだ。
その後着替えてから、犬の散歩に出かけた。まだ雨は降っておらず、周りは暗かった。朝のニュースでは、冬至と案内されていたが、日の出が遅いことは分かるが、雨の降り出し前であるから、余計に暗く感じる。戻って来ると家内は起きていた。今日の大仕事があるからであろう。お昼前に息子の結納の品を先方に届ける日であった。
朝食を食べてから、再び広告の多い土曜日の新聞を読んでいたら、息子が起きて来た。10時半頃出発しようということで、朝風呂に入って行った。私は、早速結納品の置き方の図や、家で業者が持って来て実際に置いていた際に撮ったスナップなどを見ていて、その後専門店から頂いた当日の挨拶、口上を書いた用紙を読んでいた。
定刻雨の中を息子の車に荷物を積み込み先方に伺った。家の前のガレージに留めて、荷物を運び込むのに、先方のご両親にも助けて頂き、挨拶もそこそこに組み立てにかかった。
つい先程まで見ていた組み立て図や、写真を見ながらセットして行ったが、最初は床の間に置くように想定していたが、松竹梅が入り切らず、結局床の前からセットして行くこととした。順次3人で行っていたので30分程で完成した。紅白の敷き紙が一枚余ったのであるが、その時はどこのか分からなかったが、挨拶後雑談をしている際に、家内が松竹梅の真ん中の台の敷き紙とわかり、後から補修した。
セット完了後、ご家族に来て頂き、口上を述べたが、まあ形ばかりのことで、先方のご両親の方が仲人経験もお有りで、受けの口上も慣れておられる感じであった。要するに結納屋から聞いていた「幾久しく」と「ご受納下さい」の言葉を忘れないようにしたが、「ご受納」も書けば分かるが言葉としては言い辛いので「お受け取り」に変えて申し上げた。
その後、結納品を眺めながら、雑談に興じていた。しばらくしてから、息子の運転する車で、姫路にもこのような和食の店があったのかという始めての店を訪ねた。
「はし本」という屋号で一見さんは取らず、予約だけで、それも12歳未満の子供はご遠慮下さいという、随分強気な案内が店の前に書いてあった。午後1時からの予約で10分程前に到着したが、客の入れ替えのために外で待つという状況で、既に待合所は一杯で外で待つこととなった。
家内のために、テーブルに座る場所をいろいろ探して頂いていたようで、和食でもここはテーブル席であったが、床暖房もされていて、横はビルがあるのだけれど、こじんまりとした和風の庭が設けられていた。珍しい山海の珍味が一品づつ運ばれ、器も上品な拘りを感じるもので、ご馳走と相成った次第である。
明るい先方のご両親との会食では、笑いが絶えず、息子の婚約者のお嬢さんも明るく、気配りや思いやりが感じられ、息子にしては実に良い方を見つけたものであると思って喜んでいる。
これから両家の正式なお付き合いが始まる大安吉日であった。