暑い時期には家の周りに水を撒いて涼を求める。植木への散水だけでなく、家の前の道路や庭などにも水を撒くと一段と涼しくなってくる。水が気化する際に周りの熱を奪っているので涼しくなるものである。ところが最近「打ち水」を見なくなった。水道からの散水は打ち水とは言わないそうで、風呂の残り湯や、雨水、台所のすすぎの残り水、二層式洗濯器のすすぎ水、雑巾がけのすすぎ水、子供用プールの残り水などを使用するのが「打ち水」と言っていた。他には期限切れの水や氷、井戸水(飲料水でないもの)、浴場施設(銭湯など)の残り水、近隣の公共施設、幼稚園、保育園、学校、スポーツ施設などのプールの水など、水のある公園(池、噴水など)の水、川の水、池の水など二次利用を奨励しているようである。
節水のために、水道からの散水は奨励しておらず、残り水の再利用だそうである。しかし現実問題として、桶やバケツに残り水を汲んで、ひしゃくで水を打つ姿を最近ニュース以外で見かけたことが無い。散水はホースであるから厳密には打ち水でないのかも知れないが、広範囲に撒かれて効果てき面である。
最近は室内のエアコンの普及で、窓を開放して外気を取り入れることも無くなり、室外機で中の熱を屋外に放散させている。ビル街などではその熱風がヒートアイランド現象の一因とも言われているようである。
そもそも近所でも、散水は無くなったようである。水を撒くことによって、打ち水の上を通る車によりハネを上げられて、自宅に留っている車や、建物にハネを上げて汚す心配もある。散水の途中で通行の人や車に水が掛ると大変なこととなるので極力控えているのだろうか。
いずれにしろ、打ち水作戦は簡単なようで、難しい。節水と納涼を一緒にするから、余計に難しいのである。再利用水があれば、それに越したことは無いが、納涼のためなら水道の散水が一番簡単である。
川の増水など河川の氾濫が相次いでいるが、これらの水をいったん大きな地下タンクにプールして渇水期などに散水できるようにしたいものである。毎年同じ災害の繰り返しでは、脳の無い話である。