ハローワークに出かけて、備え付けのパソコン画面から仕事情報の検索を繰り返して、時間となり外に出ようとしてホール内でバッタリ以前勤務していた会社の従業員の方と出会った。
数年ぶりの再会である。私が定年になる前に会社を退職されているので5年以上にはなるだろうか。話によると、彼も再就職先の会社が閉鎖となり年末に整理解雇に合ったようで、仕事捜しに来ているとかであった。前日も市内の食品会社に面接に出向いたら、以前の会社の方がおられたと言っていたので、尋ねると前社に納品していた弁当の会社であった。世間は広いようで狭く感じたと会話を続けていた。
実はこの段階でも、彼の名前を思い出そうとして思い出せないまま話をしていた。暫らくして彼が呼び出しを受けたので、その際に分かれたが、帰る道中も思い出そうとして、そこまで出掛かっているのに名前が出てこない。彼の採用に携わり、高校時代から在職中での音楽活動なども思い出しているのだが、名前が出て来ないのである。
帰ってから家内にこの話をすると、「ボケの始まりは名前から」と云うから大丈夫かと心配される始末であった。こうなれば余計に思い出そうとして、昔の会社名簿を引き出し、職場などは分かっていたので、つい先程確認することが出来たのでヤレヤレである。
しかし、確かに家の中にばかり籠りがちで、対人の緊張感は無くなって来ているかも知れない。昔からの何でも見たがり、知りたがり、聴きたがりの助平根性も薄れてきているようだ。少しカルチャア教室にでも出かけて、気に入った講義でも選択してみようかとも思っている。