日々の新聞には種々の折り込み広告が入っている。サラリーマンの現役時代は朝食時の新聞を読む前にサーット目を通すだけで、特に読むものは無かった。強いて言えばホームセンターや電気店の広告は大きなチラシも広げて読むこともあった。まして着物広告など入っていることは知っている程度で読み飛ばしであった。
昨日の広告にも着物のチラシがあった。
「B反」の広告で
「島倉千代子」の写真が載っている。数年前からこの広告は時々見かけたことがあるが、当時から島倉千代子が第一線の際はこのような広告には出なかったと思われた。何故なら自分の着ている着物がB反ないしこの会社の着物であると思われるからである。現に他に演歌の着物を着た歌手が、このような二級?着物のモデルとして出ているのを見たことが無い。
確かにB反の説明では見た目には正反と変わりないと有り、広告写真からもその通りだと思われる。まして普段から着物を着用しない生活にあって、どれ程真贋を見極める目があるかが問題であるが、着用する人の心の問題だと思われるので、島倉千代子はギャラの問題もあるのか知れないが、思い切った決心をしたものだと思っていた。
今回もその広告を見て、これまでと同じ思いをしながら横にはねようとした際に、広告の隅にフルセットの文字が目に留まった。31点フルセットと有り、小さく着物以外に31点もの小物というか着込むための準備品がセットとして書かれてあった。
私も家内との結婚が和装であり、その後娘の結婚も和装をさせていたこともあるが、男物でこんなに掛るわけがないので、家内にこんなに掛るのかと尋ねたが、家内は朝のテレビドラマを見ながら煩そうに、「そうやで和装は大変なんやで」と応えてドラマに再び見入っていた。よっぽど見ている朝ドラマから「だんだん」と言って礼を言ってやろうかと思ったが馬鹿にされるので止めておいた。
裏側の広告紙面には留袖や訪問着の広告があり、ここではセットは無かった。ミセスは既に振り袖の経験があるからと思われる。その横の喪服キャンペーンにはセットが有り、夏と冬のセットが有る様である。こうなると女性の着物は益々借り物全盛となるのだろう。それに着物が有っても着付けとかで着物が着れない人ばかりである。昔の人は大変だろうと思ってしまう。
それに今回驚いたのは、これまで着物の宣伝には黒い髪型をアップした女性の写真が多かったが、今回はというか毎回詳しくは見ていなかったのであるが、茶髪というか黒髪でないモデルが大半で、ショートカットのモデルが着物を着ていた。これも時代反映であろうか。そういえば昨年の息子の結婚式には、髪を染めている姉娘達が着物着用であるから何を今さらと言われるかもしれない。